パソ・ロブレスのオーパスワン、南カリフォルニアの L`Aventure Winery

パソ・ロブレスのオーパスワン、南カリフォルニアの L`Aventure Winery

L`Aventure Wineryに行ってきました。

南カリフォルニア、正確にいうと、カリフォルニア州サンルイスオビスポ郡パソ・ロブレスAVA(ワイン生産区域)にあるワイナリーです。

L`Aventureのワインは、創業者のStepha Aseoの情熱が感じられる、大好きなワインの一つです。いまでこそ、パソ・ロブレスの最高級ワインの1つに名を連ねるL`Aventureですが、ここまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。

創業者であるStephan Aseoは、1982年にブルゴーニュのワイン醸造学校を卒業。若き日の彼の夢は、カベルベ・ソーヴィニオンをベースにしたワインが作ることでした。しかし、彼の故郷のブルゴーニュはピノ・ノワールが有名で、カベルネ・ソーヴィニオンを使うことが、規則で許されていません。そこで、彼は、一大決心をして、故郷であるブルゴーニュを後にして、カベルネ・ソーヴィニオンが有名なボルドーに移住。そこでワイン醸造を始めます。

ワインを知るにつれて、彼は、カベルネ・ソーヴィニオンは、シラーやプティ・ヴェルドーをブレンドするともっと美味しいという結論に達します。しかし、規則でがんじからめのボルドーでは、カベルネ・ソーヴィニオンにシラーやプティ・ヴェルドーを混ぜることが許されていません。

そこで、彼は、1996年に再び一大決心をし、自分が作りたいワインを自由に作ることが出来るアメリカに移ることにしました。現在L`Aventureがあるパソ・ロブレスは、今でこそカリフォルニア有数のワイン産地として知られていますが、その頃はまだ殆どワイナリーが無い状況。仕方がないので、最初ナパに移り住みます。フランス語しか話せない彼は、大変に苦労したのですが、1998年に再び転機が訪れます。パソ・ロブレスでワイナリーを始めたフランス人が、パソ・ロブレスに誘ってくれたのです。

その後、苦労に苦労を重ねて、2008年には遂に100%のワインを彼の畑から採れたぶどうで作れる様になりました。今では、彼のワインは高い評価を得て、パーカーズ・ポイントでも何回か100点をとる程です。でも、ぶどうを育てることが大好きな彼は、金持ちぶることも、偉そうに振る舞うことも無く、今でも毎日畑に出てぶどうの栽培に没頭しているそうです。彼は、今年57才になりますが、ぶどうに賭ける情熱が衰えることはありません。

彼には3人の子供がいるのですが、お嬢さんのChloe Asaoがビジネスを手伝っています。今回は縁あって、彼女にワイナリーを案内してもらいました。

このVinyardは約129エーカー(約522千平方メートル、東京ドーム約11個分)もあるのですが、品質を維持するために78エーカーしか使っていないそうです。また、品質維持を目的に、1エーカー当たりのブドウ収穫量を2トンに限定しているため、1年間の生産量は6,500ケース程度だそうです。うち、70%はワイナリーに来て下さったお客様に販売。外部に売るのは全体の30%。それを、米国、カナダ、フランスのディストリビュータにおろしています。(日本にもフランスのディストリビュータ経由で少量入っているそうです。)外部に販売される量は、非常に少なく、ワイナリーに行かない限り入手出来ません。

私は、カベルネ・ソーヴィニオンとシラーのブレンドが大好きですが、Stephan Aseoも私と同意見なのが嬉しかったです。そして、カベルネ・ソーヴィニオンとシラーのブレンドを作るために、フランスからパソ・ロブレスに移住してしまった彼は凄い!と思います。実際に飲んでみたのですが、彼の情熱が感じられ、上品さの中にワイルドさがあり、ボルドーとカリフォルニアの良いところがブレンドされた素晴らしいワインでした。



2 thoughts on “パソ・ロブレスのオーパスワン、南カリフォルニアの L`Aventure Winery”

    • 有難うございます。知識は別にして、経験はあるかもです。昨年の2月~9月に数えたことがあるのですが、家のみだけで、ちょうど100本のワインを飲み干していました。(笑)

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