絶景を楽しみながらワインを味わう幸せ 南カリフォルニアのワイナリー Daou Vinyards

絶景を楽しみながらワインを味わう幸せ 南カリフォルニアのワイナリー Daou Vinyards

南カリフォルニアを代表するワイン産地「パソロブレス」。パソロブレスのAdelaidaというAVA(ワイン生産地区)にあるDaou Vinyardsに行ってきました。

カリフォルニアのワイナリーは、景色が良く、風が心地よく、日差しも最高で、アウトドアでティスティングすると本当に幸せな気分になります。そんなカリフォルニアのワイナリーの中でも、このワイナリーの心地よさは特筆すべきものがあります。

彼らのウェブサイトのビデオへのリンクを貼りつけましたので、少し雰囲気を味わってみて下さい。
https://www.daouvineyards.com/Photo-Video-Gallery

このワイナリーは、2007年にGeorge DaouとDaniel Daouという兄弟が始めたワイナリーです。

Daou兄弟は、レバノンで生まれたのですが、内戦で家がロケット弾の攻撃を受け、パリに疎開。その後、南フランスへ移り、ブドウ畑に囲まれた美しい土地で少年期を過ごしました。その頃から、彼らは、いつの日か自分のぶどう畑を持って、ワインを作りたいと思っていました。

その後、アメリカに留学し、カリフォルニア大学サンディエゴ校の工学科をトップクラスで卒業。卒業後、勤勉な彼らが始めたIT企業は大成功します。そして、いよいよ子供の頃からやりたかった本当の夢を叶えるために、動き出します。

そして見つけたのが、南カリフォルニアのこの土地。彼らはカベルネ・ソーヴィニオンというフランスのボルドー地区で多く栽培されているぶどう品種を育てるのが夢でしたが、その土地の地質は石灰質粘土で「ボルドーのサンテ・ミリオン地区」というカベルネ・ソーヴィニオンの銘醸地にそっくり。しかも、温度も、これまたカベルネ・ソーヴィニオンで有名な「ナパのセント・ヘレナ」に似ているので、ここならカベルネ・ソーヴィニオンにぴったりと思ったそうです。

2007年に2人が買ったこの土地は、いまではDaou山と呼ばれています。標高は約600mで高尾山くらいです。それだけ高いからでしょうか。私が今まで訪れたワイナリーの中で、景色という意味では文句なくナンバー1です。目の前に360度広がる、カリフォルニアのローリングヒルとそこに点在するブドウ畑。乾いた気持ち良い風に吹かれ、カリフォルニアの日差しを浴びながら飲むワインは最高です。

いまでは、114エーカーもの広大な土地に、カベルネ・ソーヴィニオン、カベルネ・フラン、マルベック、プティ・ヴェルドー、メルロー、シラー、シャルドネ、ソーヴィニオン・ブラン、セミヨンなど、様々な品種のぶどうが栽培されています。

ワイナリーは、ティスティングルームも広いですが、360度の景色が広がる庭が素晴らしく、そこのソファーでゆっくりしながら、ティスティングを楽しむことも出来ます。(ギフトショップはそれ程大きくありません。)

この日は、夕方にこのワイナリーに到着。一日、ワイナリー巡りをしていて、既に、飲みつかれていたので、幾つものワインをティスティングをする気にはなりませんでした。そこで、Celestusという、シラーとカベルネ・ソーヴィニオンのブレンドをグラスで1杯だけ注文。シラーのワイルドな味が、カベルネ・オーヴィニオンの上品な味と混ざり合い、何とも言えない複雑な味。素晴らしい!周りの風景、心地よい日差しと風と相まって、幸せな気分で、夕方を満喫しました。

このワイナリーは、少し商業的な香もしますが、文句なくお薦めです。