アメリカで飲んだギリシャワイン 

アメリカで飲んだギリシャワイン 

フィラデルフィア郊外のRandorという町で、Eterna Tavernaというギリシャ料理のレストランに連れて行ってもらいました。そこで、飲んだギリシャワインがとても美味しかったので、ご紹介します。

このワインは、ギリシャのペロポネス半島の「ネメア」というワイン生産地区にあるGaia Winesというワイナリーで造られています。少し、難しい話になりますが、ネメアというワイン生産地区は、OPAPというカテゴリーのワイン産地に指定されています。OPAPは、ギリシャで最高のぶどうを産出する地区にだけ与えらえる名誉ある名称(スイートワインを除く。)で、ギリシャ全体で20地区にしか与えられていません。

ネメアは、ギリシャ神話のヘラクレスの生誕地としても有名です。こういう話を聞くと、一度行ってみたくなりますね。

GAIA Winesは、農業を営んでいたYiannis Paraskevopoulos とLeon Karatsalos の2人によって、1994年に設立されました。2人は、美味しいブドウが作れる畑にこだわり、時間をかけて探します。そして、ネメア地区Koutsi村の標高550メートルの高地を彼らのブドウ畑に選び、そこにワイナリー作りました。今では、年間35万本を出荷するギリシャ有数のワイナリーに成長しています。

このワインは、「アギオルギティコ」という品種のぶどうから作られています。このぶどうは、栽培地の標高によって味が変化するのが特徴で、標高450メートル以下で作られたぶどうは甘口用に、それ以上の高さで造られたぶどうは辛口用に使用されるそうです。

色は、やや濃い澄んだルビーレッドで、地元では「ヘラクレスの血」と呼ばれています。鼻を近づけると、ブラック系ベリーの上品な香りがあがってきます。口に含むと、まず控えめな果実味が口に広がり、やや強めの酸味とタンニンが後からやってきます。少し、スパイシー感もあります。

その日は、メインディッシュに「ロブスターのパスタ」を頼みました。ロブスターの赤がアギオルギディコの赤と相性がよく、料理とワインの両方が引き立ちます。上品な果実味や酸味が、パスタソースのこってり感を和らげてくれます。かといって、ワインも料理に負けず、きめ細やかなタンニンがしっかりと自分を主張します。

8人で飲んだのですが、好評で、あっという間にボトルが空に。アメリカで、思いがけず、美味しいギリシャワインに出会いました。

「アギオルギディコ」はギリシャ南部を代表するぶどう品種ですが、北部には「クシノマヴロ」というこれまた有名なぶどう品種があります。ピノノワールと並び称されると言われているこの品種も、機会があれば、是非試してみたいです。