高品質ワインを少量生産する南カリフォルニアのワイナリー Starr ranch winery

高品質ワインを少量生産する南カリフォルニアのワイナリー Starr ranch winery

Starr ranch wineryへ行ってきました。

カリフォルニア州ルイスオビスポ郡のパソ・ロブレスAVA(ワイン生産区域)にあるワイナリーです。

アメリカでは、高品質ワインを少量だけ作っていて、そのワインが市場に全く出回らないワイナリーが存在します。Starr ranch wineryもそうしたワイナリーの1 つです。このワイナリーのワインが飲みたければ、ワイナリーまで足を運ぶしかありません、

当日は休業日だったのですが、縁あって創業者のJudy Starrがわざわざ我々のために開けて下さり、ワインテイスティングに付き合って下さいました。

Judyは、米国東海岸のNorth Carolinaで育ちました。子供の頃から土いじりが好きで、いつの日か土をいじりながら生き物を育てる仕事に就きたいと夢見ていたそうです。

その後、彼女は、就職のためにニューヨークのウォールストリートに移り、証券ウーマンになります。なんと就職の際の面接官が後のご主人となられたそうです。

それ以降、彼女は、ニューヨークやロンドンで、長年金融業に従事しました。それでも、子供の頃から好きだった「土いじり」の気持ちよさが忘れられず、いつの日か土がいじれる仕事につきたいと常に考えていたそうです。

3人の子供に恵まれ、子育ても一段落した2002年、ついに彼女の夢が叶います。一念発起して、パソロブレスへ移り、ブドウ栽培を始めたのです。2004年には、最初のぶどうが収穫されます。今では、33.5エーカー(東京ドーム 3個分)のブドウ畑に、10種類近くのぶどうが栽培されています。

色々なワインをテースティングさせてもらったのですが、特に印象に残ったのが、OrionとMarriageというブレンドでした。

Orionは、カベルネソーヴィニオン、シラー、テンプラニーリョという3つのぶどう品種をブレンドした赤ワインです。カベルネソーヴィニオンとシラーのブレンドはよくあるのですが、テンプラニーリョがブレンドに使われるのは珍しいと思ったら、テンプラニーリョは彼女の大好物だそうです。

Marriageは、カベルネソーヴィニオンとメルローのブレンド。彼女によれば、カベルネソーヴィニオンは男のブドウ、メルローは女のブドウだそうで、両方混ぜるとMarriageだそうです。

彼女の思い入れで作ったブレンドだなあと思っていたら、彼女が、テイスティングルームに沢山飾ってあるフラスコを見せてくれました。毎晩、そのフラスコに幾つかのぶどうを混ぜて、美味しいブレンドを研究しているんだそうです。OrionもMarriageも、果実味が程よく効いていて、女性を意識した味わいになっているかなあと思いました。

彼女の思い入れが詰まったワインは、毎年1,000ケース位しか生産されません。従って、日本では購入出来ませんし、アメリカでも一般の小売店では売られていません。彼女のワイナリーを訪れた人だけが手に入れることが出来る貴重なワインです。