イタリア北部のワイン銘醸地であるバローロ(Barolo)へ行ってきました。ミラノから西へ150km、冬季オリンピックが開催されたトリノから南へ100kmほどのところにあります。
ここで産出されるワインは「ワインの王」と呼ばれ、イタリアでも最高品質のワインです。
バローロには、「バローロの5大産地」と呼ばれる5つのワイン名産地があるのですが、まずそのうちの一つラ・モッラ(La Morra)へ。ここは、山の上にあるので、バローロ地域全体と、バローロ村がよく見えます。
ラ・モッラの散策を楽しんだ後、ぶどう畑の中をドライブしながら、バローロ村へ。そこで、ボルゴーニョ(Borgogno)という歴史あるワイナリーを訪れました。このワイナリーは、1761年にBartolomeo Borgognoによって設立されたもので、実に250年以上の歴史を誇ります。1861年にイタリアが統一された際には、統一式典の昼食会のワインに選ばれたそうです。
バローロで作られるワインは、ネッビオーロというぶどうを使います。(私の大好きなぶどうです!)ネッビオーロには、タンニンが多く含まれていて、そのままでは渋くて飲めません。従って、樽で長期間熟成させます。最低でも38ケ月、レゼルヴァ(Riserva)と呼ばれる高級ワインでは、62ケ月にわたり樽熟成させる必要があります。
そんなわけで、バローロのワイナリーツアーでは、樽の説明が多いそうです。このワイナリーのツアーでも、地下で沢山の種類の樽を見せてもらいました。まず、通常の樽ですが、面白いことに楕円形をしてます。スペースを有効に使うためには、楕円形が良いのだとか。
250年前から使われている樽というのも見せてもらいました。最近、リファービッッシュしたそうで、見た目は新しそうでしたが。
そして、圧巻が、これまで見たこともない様な巨大樽。確か10,000リットルの容量と言ってました。
ワイナリーツアーの後は、お待ちかねのテイスティング。このワイナリーは、バローロ地区の5ケ所にぶどう畑を持っているのですが、まずはそのうち3つの畑から採れたぶどうをブレントした定番ワインを楽しみます。
その後、単一のワイン畑で採れたぶどうだけから作られたワインの飲み比べ。「Cannubi」というバローロの中でも、最高級のぶどうが取れる畑と、「Liste」という地質の関係でバローロの中でもユニークな味のぶどうが取れる畑。この2つの畑のぶどうから作れれたワインを飲み比べました。
そして、最後は、最初に飲んだ定番ワインを長期に熟成されたレゼルヴァ(Riserva)。同じ、バローロでも畑や熟成期間で微妙に味が異なり、とても面白いテイスティングでした。
ワイナリーの後は、バローロ村のレストランで地元の美味しい料理を楽しみました。前菜は、Carne Cruda(牛の生肉にレモン、塩をかけたもの。)とVitello Tonnaro(子牛の薄切りにツナマヨネーズのソースを添えたもの。)。
パスタは、Tajarin(卵入り手打ち細麺。卵黄の量が多いのが特徴。肉のラグーソースかけ。)とAgnolotti del Plin (肉を詰めた小ぶりのラヴィオリ)。イタリア料理の中でも、この地域の料理は特に美味しいですね。
蛇足ですが、バローロのすぐ近くにあるアルバという町は白トリュフで有名です。先日、妻と六本木で食事をした際に、黒トリュフのグラタンというのを注文したら「3,000円の追加料金で、白トリュフに変更できますが、どうしますか?」と訊かれました。黒トリュフで我慢したのですが「アルバに寄って白トリュフを食べてくれば良かった。」と思いました。