カリフォルニア産イタリアワインのパイオニア Mount Palomar Winery

カリフォルニア産イタリアワインのパイオニア Mount Palomar Winery

Mount Palomar Wineryへ行って来ました。南カリフォルニアのTemecula Valley AVA (ワイン生産地)にあります。Temecula Valley(テメキュラ)は、カリフォルニアの主要なワイン生産地の中では最も南に位置します。

テメキュラは、ロサンゼルスから南東へ150km弱、車で1時間半ほど。ロサンゼルスから日帰りできるので、いつも沢山の観光客で賑わっています。日本人の方々も多く訪れています。

テメキュラの気候は、地中海の気候に似ていると言われます。日中は日照量が多く温暖、夜は周囲の山から吹き下ろす風で気温が下がる、さらにレインボーギャップと呼ばれる谷を通ってくる海風の影響で適度な湿度もあります。

この気候を利用して、テメキュラでは、イタリアの主要ぶどう品種が多く栽培されています。そして、多くのワイナリーが、テメキュラ産のイタリアぶどうを使って「カリフォルニア産イタリアワイン」を作っています。

中でも、カリフォルニア産イタリアワインのパイオニア的な存在が、Mount Palomar Wineryです。

Mount Palomar Wineryは、1969年にJohn H. Pooleによって設立されました。彼は、無線技術者で、カルフォルニアで最初の島部のラジオ曲(サンタカタリーナ島のKBIG-AM)、アメリカ初のUHFテレビ局(ロサンゼルスのチャネル22)、ロサンゼルスで最初に商業的に成功したFMラジオ局などを設立した事業家です。まさにカリフォルニア放送業界のパイオニアでした。

放送業界で成功した後は、少しペースのゆっくりした仕事をしたいと思い、農業に着目しました。そして、テメキュラにぶどう畑を開墾します。テメキュラは今でこそ沢山のぶどう畑がありますが、当時はまだ荒地同然だったそうです。彼は、まさにテメキュラのぶどう栽培のパイオニアでした。

さらに、1975年には、自分の畑で栽培されたぶどうを使ってワイン製造も始めます。テメキュラがワイン産地として成功したきっかけを作ったのが、John H. Pooleの開拓精神だったのです。

Mount Palomar Wineryは、1985年に息子のPeter Pooleに引き継がれます。彼も父親譲りで沢山の新しいことにチャレンジします。中でもイタリア原産ぶどうの栽培を開始したことが有名で、テメキュラが「カリフォルニア産イタリアワイン」の産地として有名になる礎を築いたのが、Peter Pooleだったのです。

今日、55エーカーのぶどう畑にサンジョベーゼを始めとする、多くのイタリア原産ぶどうが、栽培されています。

Mount Palomar Wineryは、2つのブランドのワインを生産しています。「Mount Palomar」と 「Castelletto」です。このうち、Castelletto(イタリア語で「小さな城」という意味)が、イタリア原産ぶどうから作れらた「カリフォルニア産イタリアワイン」です。

Castellettoという名称は、Mount Palomar Winery創設者John H. Pooleの妻であるOlivia de Reya Pooleの生家の称号に由来します。彼女はイタリア移民ですが、その生家が1735年に授かった称号がCastellettoだそうです。

私が訪問したのは平日の午前中でしたので、あまり人がいませんでしたが、テメキュラの人気ワイナリーの一つで、休日は多くの人で賑わうそうです。レストランやギフトショップも充実していました。

テイスティングルームでは、沢山のワインの中から自分の好きなものを6杯選べます。地元出身のバーテンダーの解説を聞きながら「カリフォルニア産イタリアワインを楽しんできました。Castellettoの名前の由来となったOlivia de Reya Poole(創業者の妻)の写真など、Mount Palomar Wineryに関する貴重な写真も飾られています。

日本の方々と楽しもうと思い、1ダースほどのワインを買い込みました。テメキュラの中でも、最も古いワイナリーの一つです。是非、訪れてみてください。