テイスティングで3.9の高ポイントのカリフォルニアワイン The Big Easy

テイスティングで3.9の高ポイントのカリフォルニアワイン The Big Easy

アメリカンワインクラブでは、月に1回程度の頻度でワインテイスティングの会を開催しています。今日は、最近開催された会で、32名(女性16名、男性16名)にテイスティング頂き、3.9(5点満点)の高得点をただきだしたワイン ‘The Big Easy 2014’を紹介します。

The Big Easyは、南カリフォルニアのサンタバーバラにあるFess Parker Wineryで作られています。サンタバーバラは、ロサンゼルスから北西に約150km にあるワイン銘醸地。2004年のアカデミー賞受賞映画「サイドウェイ」で紹介されたことにより、一躍注目を集めました。

その「サイドウェイ」でロケ地として使われているのがこのFess Parker Wineryです。このワイナリーは、アメリカ人なら誰でも知っている超有名な西部劇俳優 Fess Parkerが設立しました。(と言っても、活躍したのが1950年代、60年代だそうで、若者は知らないかもしれません。)

俳優として大成功し、巨万の富を得たFess Parkerは1988年、63歳の時に、サンタバーバラに果樹園を購入して、野菜や果物を育てながらのんびり過ごすことにします。しかし、テキサス出身で大きなことが好きな彼は、ちまちまと野菜や果物を育てる生活に満足しません。やがて、果樹園にぶどうを植え、そのぶどうを使ってワインビジネスを始めます。彼のワイナリーは、今ではサンタバーバラを代表するワイナリーに成長しています。63歳で全く畑違いのワインビジネスに参入し、大成功させてしまうのですから、彼のバイタリティーには脱帽です。

The Big Easyとは、ニューオリンズのニックネームです。なぜ、ニューオリンズのことをThe Big Easyと呼ぶかには、諸説あるのですが、ニューヨークのことをThe Big Appleと呼ぶので、のんびりしたニューオリンズのことをThe Big Easyと呼ぶとする説が有力です。

 

という訳で、このワインのラベルには、ニューオリンズの絵が描かれています。私は、このラベルが気に入っているのですが、意外にもテイスティングして下さった方々の、ラベルの評価は低く3.1 (5点満点)でした。

このワインに使わているぶどうは3種類。Syrah 76%、Petit Syrah 16%、Grenache 10% です。Syrah とGrenache のブレンドは、南フランスのローヌ地方で良く使われるので、ローヌブレンドと言います。ローヌでは、Syrah と Grenache に Mourvedreを加えたGSMというブレントがとても有名です。

カリフォルニアでは、Mourvedre の代わりに、カリフォルニア特有のぶどうである Petit Syrah や Zinfandel をブレンドすることが多いです。Syrah と Grenache に Petit Syrahを加えているこのワインはまさにカリフォルニア版ローヌブレンドの典型です。

このワイン、鼻を近づけるとブラックベリーとチョコレートの香りが上がってきます。テイスティングされた方の半分以上の方々がこの香りをあげています。3種類のぶどうをブレンドしているので、複雑で、しばらくすると肉や胡椒の香りも上がってきます。

そして、口に含むと、果実味と酸味が強烈です。しばらくすると、上品なタンニンも感じられます。カリフォルニアワインにしては珍しく、果実味、酸味、苦味のバランスの取れた高級感溢れるワインに仕上がっています。テイスティングされた方々の評価も果実味2.8、酸味2.7、苦味2.9でバランスを感じたようです。

Fess Parkerの生まれ故郷であるテキサスのステーキにも、このワインの名称であるThe Big Easyの愛称で親しまれるニューオリンズのケイジャン料理にも、ぴったりと合いそうです。

このワイン、日本では入手困難。米国でも一般の小売店では入手が難しいようです。ワイナリーで$35前後で販売されています。