スペイン アンダルシア地方の「マラガワイン」

スペイン アンダルシア地方の「マラガワイン」

スペイン南部・アンダルシア州マラガで、「マラガワイン」をご馳走になりました。日本ではあまり知られていませんが、とても面白いワインなのでご紹介させて頂きます。

マラガワインの紀元は、紀元前600年に遡れるそうです。

16世紀頃、アンダルシア州からは沢山のワインがイギリスへ輸出されていたそうですが、こうしたワインは「サック」と呼ばれていて、「マラガサック」、「へレスサック」、「カナリアサック」の3つがその代表だったとか。サックは、スペイン語で輸出を意味するSacaが語源といわれています。

このうち、「へレスサック」とは、シェリー酒のこと。マラガワインも一部を除いて、シェリー酒同様「酒精強化酒」です。シェリーが主に発酵後にブランデーを加えるのに対して、マラガワインは主に発酵の途中でブランデーを加えるので、糖分が残っていて甘いです。この点では、ボートやマデイラと似ています。

マラガ地区には、3つのワイン生産地区(D.O)がありますが、その内、マラガD.O.で作られるワインは白ブドウから出来た酒精強化ワインです。主に甘口。

使われるブドウは、主に「ペドロ・ヒメネス」と「ムスカテル」。この2つのブドウは、シェリー酒でも使われますが、どちらかというと脇役。マラガワインでは、この2つのぶどうが主役に躍り出ます。

この2つのワインは、どちらも白ブドウですが、特に甘口ワインを作る際には、天日干ししてレーズンに近くなったブドウを時間をかけてゆっくり絞るので、赤ワインの様に琥珀色から黒に近い色のものもあります。

アンティグア・カサ・デ・グアルディアという、1840年創業のマラガワイン専門のバルで飲みました。

 

このお店、沢山の樽が並んでいて、樽からワインを注いでくれます。

ワインを注文すると、カウンターにチョークで値段を書いてくれる昔からのシステム。

おつまみも頼めます。

一杯目は、「モナステル」。その名の通り、モナステルから作られた酒精強化ワイン。一番甘いワインです。色は、赤ワインの様な色。

二杯目は、「セコ」。ペドロ・ヒメネスから作られた辛口の酒精強化ワイン。色はフィノに似ていて、黄色っぽい色です。

三杯目は、「マラガ・キノ」。ペドロ・ヒメネスから作られた甘口の酒精強化ワインです。色は、赤ワインの様な色。

結構美味しくて、20分程の滞在の間に3杯も飲んでしまいました。
あちゃー、また飲み過ぎちゃいました。