アメリカの首都、ワシントンで、お客様と食事。お客様が選んで下さった Turnbull Cabernet Sauvignon 2015を紹介させて頂きます。
このワイナリーは、北カリフォルニア・ナパヴァレーのオークヴィル地区にあります。隣にはオーパス・ワンの畑、向いにはモンダヴィがあるという、まさに一等地。
この畑を含む、4つの畑で育てた自社製のぶどうでワインを作ることにこだわる、いわゆるEstate Wineの作り手です。
このワイナリーは1979年にカリフォルニアの建築家 Willian J Turnbullが開設しました。このワイナリー名であるTurnbullの由来は、もともとは創設者の名前だったのです。
ところが、1993年に Patrick O’Dellがこのワイナリーを買収した際に、その由来に変更を加えます。「1300年代初めに、王様が凶暴な雄牛に角で脅されているところを救った家来に、振り返っている雄牛(Turnbull)を描いた紋章を与えた。」という話にヒントを得て、ラベルを「振り返る牛(Turnbull)」に変更します。atrick O’Dellは、Turnbullをラベルに採用することによって、ワインを通して勇敢さ大胆さを表現しようとしています。
その日のホストのお客様は、インド出身の米国人女性の方で、とても教養のある方。1本目はソーヴィニオン・ブラン、2本目はピノ・ノワールを選ばれた後、私がメインにステーキを頼んだのを見て、3本目にこのカベルネソーヴィニオンを選んでくださいました。(実際には、90%カベルネ・ソーヴィニョン、8%メルロ、1%カベルネ・フラン、0.5%プティ・ヴェルド、0.5%マルベックと複数のぶどうをブレンドしています。)
鼻を近づけるとブラックベリー、カシスなどの黒系果実に少し赤系果実も混じった複雑な香りが上がります。少し、トーストの様な香りも。口に含むと、カベルネ・ソーヴィニオンらしいしっかりとしたタンニン。果実味も意外と強烈です。まさに、Patrick O’Dellが狙った「大胆さ」が表現されています。
米国で50ドル前後、日本でも9,000円程で入手可能です。
ホストの腕で、しっかりと料理に合ったワインが出てきます。ワインも食事も進みます。
あちゃー、また飲みすぎちゃいました。