パリのボジョレー・ヌーヴォー事情

パリのボジョレー・ヌーヴォー事情

パリに20時間ほど滞在。到着した日がボジョレー・ヌーヴォーの解禁日。日本では、ボジョレー・ヌーヴォーが、時差の関係で世界で最初に解禁されることもあって、何かと話題になります。では、ボジョレー・ヌーヴォー生産国のフランスではどうなのでしょうか?

パリに到着したのは、夜遅かったので、ホテル近くのビストロで軽い食事。ワインは飲んだのですが、ボジョレー・ヌーヴォーは多分メニューになかったし、ホテルにも、街にも、ボジョレー・ヌーヴォーを意識させるものはなかったように思います。フランスでは、あまりボジョレー・ヌーヴォーは話題にならないのか?

でも、実は、その時は、その日がボジョレー・ヌーヴォー解禁日であることはすっかり忘れていました。

この日が解禁日だと思い出したのは、翌朝、パリ在住のフランス人部下に会った時。彼は、開口一番、「昨日は、ボジョレー・ヌーヴォー飲みましたか?」おおっ!フランスではこの時期、こうした質問が挨拶代わりに交わされるのか?

その日の昼は、エッフェル塔の近くのレストランでお客様と食事。この辺りのレストランの入り口には、ボジョレー・ヌーヴォを扱ってますのサインが。

酒屋にもやはり似たようなサインが。やっぱり、ボジョレー・ヌーヴォーはフランスでも話題になるのか?

これは、フランスじゅう、どこでもそうなのか?それとも、観光地であるこの辺りだけの特殊事情なのか?

レストランに入ると、私のフランス人部下が、ボジョレー・ヌーヴォーを頼んでくれましたが、これは、私に気を使ってくれたのか?それともこの時期、フランス人もボジョレー・ヌーヴォを飲むのか?

色々と疑問が湧いて来たので、南フランス・ラングドック地方に住む日本人の友人に聞いてみることに。

彼女によれば、「フランスでのボジョレー・ヌーヴォー消費量は、日本での7倍」とのこと。ふむふむ、フランスでもボジョレー・ヌーヴォーは結構飲まれているんだ。

フランス人のご主人も近くのワイン屋さんで、ボジョレー・ヌーヴォーを買い込み、自宅に遊びに来た友人に振る舞われたとのこと。へー、フランスの人たちもボジョレー・ヌーヴォーをみんなで楽しむんだ。

でも、フランス国内でも地域によって、フィーバーぶりは異なり、パリではクラブでのパーティーが大盛況だし、消費量も多いとか。逆に彼女の住む、ラングドック地方(フランス南部のワイン銘醸地です。)は消費量が最低だそうです。

でも、彼女いわく、私の部下の「昨日は、ボジョレー・ヌーヴォー飲みましたか?」という質問は、ワイン好きの上司である私に合わせただけの質問だろうとのこと。こんな質問が飛び交うほどのフィーバーでは無いということでしょう。

ところで、ボジョレー・ヌーヴォーは、フランス・ブルゴーニュ地方の南端、ボジョーレー地区のぶどうを使ったワインです。

ぶどう品種はガメイ。毎年、11月の第3木曜日が解禁日です。

この日飲んだワインは、Chateu de CorcellesのBeaujolais Villages Nouveau (ボジョレー・ヴォラージュ・ヌーヴォー)2013。ちなみに、「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー」は、「ボジョレー・ヌーヴォー」より少し高級です。

Chateu de Corcellesは、15世紀に建てられた古いお城。1927年にフランスの重要文化財に指定されました。フランスのワイナリーの歴史の重さには、いつも驚かせられます。

このワイン、鼻を近づけるとキャンディー香やバナナの香り。口に含むと、いちごの様な果実味と心地よい酸味が感じられます。渋みは殆どなく、とても軽く、フレッシュな印象のワインです。

ちなみにパリの酒屋さんでは。殆どのボジョレー・ヌーヴォーが1.000円以下で販売されていました。

結局、フランスでボジョレー・ヌーヴォーが話題になっているのかどうかは、いまひとつ分からないまま。でも、美味しいボジョレー・ヌーヴォーを、雰囲気の良いパリのレストランで飲めたので、大満足。

あちゃー、また飲み過ぎちゃいました。