料理とワインのマリアージュ【和食編】

料理とワインのマリアージュ【和食編】

何年ぶりかで会う「大学の後輩」たちとの会食。楽しんでもらおうと「ワイン学校の同級生」にご紹介頂いた「ワイン学校の先輩」が営まれている和食のお店にご招待。和食とワインの最高のマリアージュを楽しみましたので、報告させて頂きます。

和食に合うワインは、少し水を含んだ「柔らかい」土地で採れたぶどうから作られたものが良いのだとか。そのソムリエの方によれば、そういった柔らかい土地からは「お椀の様な味わいのワイン」が出来るそうです。(うーん、「お椀の様なワイン」って、良い表現だなあ。)

一方、高級ワインが作られる様な「硬い」土地(硬水系のミネラルウォーター「VOLVIC」が採れる様な地質 → 注:Volvicは実はそれほど硬度は高くありません。)から出来たぶどうは、和食には不向きだそうです。

柔らかい土地で出来たぶどうは比較的安価なので、和食に合うワインはリーゾナブルな価格のものが多いそうです。カリフォルニアで言えば、ナパよりもソノマ。ヨーロッパで言えば、フランスよりイタリア。確かにこの日出てきたワインもイタリアが多かったです。(5本中、4本がイタリアでした。)

前置きはこれくらいにして、早速、料理のことを書きます。まず、「焼きそらまめ」。久しぶりに見る超大粒のそらまめ。贅沢にお醤油で頂きます。

これに合わせたのは、スペインのガルナッチャのロゼ。ガルナッチャは、渋味が控えめで、どちらかといえば果実味が強いぶどうです。その果実味が、醤油とほどよくマッチします。

そして、お造り。穴子の稚魚やウニなど、目でも楽しめる素材が満載の贅沢なお造りです。

合わせたワインは、イタリア・ロンバルディア州(ミラノがある州です。)のランブルスコ。ランブルスコは、北イタリアのエミリアロマーニャ州やロンバルディア州で採れる黒ぶどうで、微発砲の赤ワインに仕立てられることが多いです。この日のワインも微発砲の赤ワイン。酸味が心地よい、さっぱりとした味わいで、醤油を付けた魚の味を引き立てます。

3つ目の料理は、春らしく「たけのこ」の焼き物。これも柔らかくてとても美味しいです。なんか、お芋の様なやさしい噛み心地。

合わせたのは、イタリア・トスカーナ州(フィレンチェがある州です。)のトレビアーノ。トレビアーノは、イタリアで最大の栽培面積を誇る白ぶどうです。世界で見ても、栽培量第2位。フランスではユニ・ブランと呼ばれ、コニャックの原料に使われます。かなり濃い色合い(イエローに近い)で、トロピカルな味わいを期待したのですが、思ったよりも酸味があって辛口。和食にぴったりです。

そして、今日のハイライト「サクラマス」の焼き物。ヤマメが海で成長し、産卵のために川をさかのぼってきたのがサクラマス(桜鱒)だそうです。私の後輩の1人が釣りが趣味で魚にとても詳しく、彼の解説付きでますます楽しい。桜の時期に川を登るのでサクラマスというそうで、今が食べ頃。

合わせたワインは、イタリア・ピエモンテ州(トリノがある州です。)のワイン銘醸地「ランゲ」のネッビオーロ。ネッビオーロは北イタリアを代表する渋み(タンニン)が印象的な黒ぶどう。私が大好きなぶどうの一つです。ネッビオーロといえば、バローロやバルバレスコで採れたものが最高級品として有名ですが、このワインは少し離れたところにあるランゲで採れたものを使っています。その優しい味わいが、和食に合うそうです。確かに、ネッビオーロは肉に合わせることが多いのですが、この柔らかい味わいのネッビオーロは魚にも合います。甘い醤油のたれがネッビオーロの渋味とマッチします。

〆のご飯は、塩昆布のご飯。最後の最後まで美味しい。

合わせたワインは、イタリア・エミリアロマーナ州(ボローニャがある州です。)のマルヴァジア。マルヴァジアはイタリア全土で栽培されている白ぶどうですが、マスカットの様な上品な果実味が塩昆布の美味しさを引き立てます。

和食は魚料理が多く、白ワインが合うという先入観があったのですが、醤油の味には少し柔らかめの赤ワインがよく合います。目から鱗の発見でした。

やはり、親身になってワインを選んでくれて、きちんと解説して下さるソムリエがいるお店は良いですね。この方、お話もとてもうまいです。以前働いていた有名企業では、トップセールスとして表彰されたそうで、なるほど!と思いました。
「料理とワインの相乗効果」と「楽しいお話」そして「後輩たちとの楽しい会話」。
あちゃー、また飲みすぎちゃいました。