南カリフォルニアワインって楽しい!Chronic Cellars Eunice X

南カリフォルニアワインって楽しい!Chronic Cellars Eunice X

カリフォルニアワインの楽しさが伝わるワイン、Chronic CellarsのEunice Xという白ワインを紹介させて頂きますね。

Chronic Cellarsは、南カリフォルニアのワイン銘醸地「Paso Robles(パソロブレス)」にあります。私の大好きなワイナリーが集まっているところです。

南カリフォルニアのワインってラベルを見ているだけで、ウキウキするものが多いけど、その中でもChronic Cellarsのワインは最も楽しい気分にさせてくれるものの一つです。

このラベルは、オーナーであるBeckett兄弟の幼馴染のJoe Kalionzesが、リノカット(linocuts)と呼ばれる特殊な版画技法を用いて作っています。スーパーマーケットの棚の中でも決して埋もれない強烈な印象を放っています。

創業者であるBeckett兄弟は、パソロブレスで生まれ、父がワイナリー経営をしていたこともあって、小さい頃からワイン作りの手伝いなどをしていたようです。若い頃に、兄はサーフィンが趣味でオーストラリアに遊学したり、弟はコスタリカに遊学したりしていたので、このラベルの楽しい雰囲気はそんんな2人の若い頃の楽しい経験が影響しているのかもしれません。

このワイン、ラベルに目が行きがちですが、でも、本当にすごいのは2人のワインへのこだわりです。ワイナリー名の’CHRONIC’には、「癖になる」といった意味がありますが、このワイナリー名には「ワインにはぶどうの品質が一番大切なので、一度飲んだら絶対飽きのこない『癖になる』ようなぶどうを厳選しますよ。」という彼らの決意が込めれています。

彼らは、このように真剣にワイン作りに取り組んでいるのですが、彼らの哲学は「ワインの作り手は真剣に作らねばならないが、ワインを飲む人にはお気楽に飲んで欲しい。(ワインは楽しくて美味しければいいじゃない!)」というもの。この考え方、カリフォルニアらしくて良いですよね。Chronic Cellrsのテイスティングルームは、とても楽しい雰囲気で、そうした彼らの哲学が反映されています。

彼らのワインのもう一つの特徴は、単一のぶどう品種からワインを作らないこと。必ず、複数のぶどうがブレンドされています。

このワインは、シャルドネ75%、ヴィオニエ14%、ルーサンヌ8%、マルサンヌ3%のブレンドです。ヴィオニエ、ルーサンヌ、マルサンヌは、フランス・ローヌ地方北部のぶどうで、華やかな香りがします。こうしたローカルなぶどうを国際品種であるシャルドネと混ぜてしまうという、大胆なブレンドが面白いですね。

ところで、このワインの名称は「Eunice X」。ラベルには、男性とも女性とも取れる人が描かれていて、レインボーカラーのマントを着ているので、多分「ユニセックス」と読ませるのだと思います。ウェブで調べるとEunice Xという音楽関係者が実在する様で、この人をモチーフにしているのかもしれません。どなたかご存知の方がいらっしゃれば教えて下さい。

このワイン、鼻を近づけるとマンゴ、アプリコット、バナナと言った南国の果実の香りが上がってきます。口に含むと、こうした南国系の果実の味わいに加えて、レモンやグレープフルーツの香りも。シャルドネとローヌ系のブレンドゆえの複雑な味わいがとても楽しく「癖になりそう」です。

実は、友人にChronice Cellarsのファンがいて、1年前にEL PERFECTOという一本をプレゼントして頂きました。これもジンファンデル50%、テンプラニーリョ46%、プティシラー4%という強烈なブレンド。特別な日に頂こうと思って大切に取ってあります。飲んだらご紹介させて頂きますね。

南カリフォルニアのワインは、ぶどうは美味しいし、ワインの作り手は情熱的だし、何と言っても飲む人たちに「ワインは楽しむもの。」というお気軽さがあって、堅苦しさがなくて良いですよね。
あちゃー、また飲みすぎちゃいました。