ナパの7人の侍が作ったカベルネソーヴィニオン Consortium

ナパの7人の侍が作ったカベルネソーヴィニオン Consortium

ニューヨーク空港(John F Kennedy)のラウンジで、「Consortium」という、とてもユニークなカリフォルニアの赤ワインを飲む機会がありました。

このワインBand of Vintnersというワイナリーが作っています。このワイナリーは、カリフォルニア州で最も有名なワイン生産地区であるナパで、ワイン産業に従事している仲の良い7名が、作ったワイナリーです。ある日、ワイワイとワインを飲んでいるうちに、「誰でも入手可能な価格で最高のワインを作ろう。」ということで盛りあがり、現実に作ってしまったという、嘘の様で本当の話です。

「どこの畑のぶどうが美味しいのか?」「どこの畑なら目標価格で販売してくれそうか?」「入手したワインを活かす最高のワインの方法は?」など、7人がそれぞれの得意分野の知識を持ち寄り、議論しながら作ったそうです。

飲み会のノリで夢を実現してしまう気軽さや、7人がそれぞれの得意な知識をも持ち寄って作るという極めて合理的な作り方など、極めてアメリカ的だと思いませんか?映画「荒野の7人」を彷彿とさせます。

この7人とは、Mark Porembski, Stephane Vivier, Dan Petroski, Cameron Hobel, Barrett Anderson, Brennan Anderson, Jason Hellerで、Jason Hellerがリーダー役。ぶどう選びは全員で担当、Stephane Vivier, Barrett Anderson, Mark Porembski, Dan Petroski の4名がワイン作りを担当しました。

このBand of Vintners ワイナリーが最初に世に出したワインが、私が飲んだ「Consortium 2014」です。Consortiumとは、共同事業体といった意味で、まさにBand of Vintersの事業のやり方を象徴するブランド名です。

ところで、このワインに使われたぶどうが、どのぶどう畑で採れたかは「企業秘密」だそうです。高級なぶどうを産出する畑から採れたぶどうをふんだんに使っているので、「こんな高級ぶどうを使いながら、この価格のワインが作れるのは何故か?」といった要らぬ詮索を恐れてのことでしょう。

ちなみに、使用されているブドウは、カベルネソーヴィニオン93% 、メルロー 4%、カベルネフラン3% です。

このワイン、鼻を近づけると、ナパのカベルネソーヴィニオンらしい黒系のベリーの香りが心地よく感じられます。1回使用しただけのオーク樽で15ヶ月熟成しているので、少しコーヒーやバニラの香りも上がってきます。ナパのワインは、樽香が主張し過ぎていることがありますが、このワインの樽香はフルーツ香と良く調和しています。
口に含むと、複雑な黒系フルーツの味、あまり主張しすぎない酸味を感じた後、このワインのハイライトであるとてもなめらかなタンニンの味が心地よく残ります。少し、たばこやスパイスの味も感じられます。

あまり、ソースがこってりしてない、さっぱり系の肉料理にぴったりです。

このワイン、ラベルもなかなかよく出来ています。表面には、7人それぞれを表すボトルが描かれています。裏面には7人の名前とボトルが描かれていて、どのボトルが誰なのかが分かる様になっています。アメリカらしい面白いボトルラベルに仕上がっています。

アメリカでは$35前後で入手出来ます。日本でも6,000円~7,000円で入手可能ですので、是非試してみて下さい。