最高品質へのこだわり カリフォルニアワイン L’Aventure Estate Cuvee 2014

最高品質へのこだわり カリフォルニアワイン L’Aventure Estate Cuvee 2014

2017年最後のブログになりました。今回は、今年飲んだワインの中で、最も印象に残ったものの一つ、「L`Aventure Winery Estate Cuvee 2014」をご紹介します。このワインは、南カリフォルニアの Opus Oneと呼ばれるほど高評価を得ているワインです。

L’Aventure は、南カリフォルニアのパソ・ロブレス(ロサンゼルスとサンフランシスコの中間にあります。)にあるワイナリー。ここには、新進気鋭のワインメーカーたちが世界中から進出してきており、今最も注目されているワイン生産地の一つです。

L`Aventureも、フランスの革命児「Stephan Aseo」が創設したワイナリー。彼は、世界的に有名なワイン産地であるブルゴーニュの生まれ。ブルゴーニュでワインの学位を取り、もう一つのワイン銘醸地であるボルドーでワインビジネスを始め、大成功します。

ところが、長い歴史と伝統を誇るフランスでは、ワイン作りはルールでがんじがらめ。彼はなかなか自分の思う様なワインが作れず悩みます。そこで、彼は、1996年に一大決心をし、自由の国アメリカへ移住。1998年にパソ・ロブレスでワイン作りを開始します。

その後、彼は、苦労に苦労を重ねて、L’Aventueを南カリフォルニアを代表するワイナリーへと成長させます。今では、パーカーズ・ポイントでも何回か100点をとる程です。現在57才ですが、今でも毎日畑に出てぶどうの栽培に没頭しているそうです。

彼には3人の子供がいるのですが、お嬢さんのChloe Aseoがビジネスを手伝っています。今回は縁あって、彼女にワイナリーを案内してもらいました。

彼女によれば、L’Aventureはその品質を最も大切にしているとのこと。約129エーカー(約522千平方メートル、東京ドーム約11個分)もあるぶどう畑のうち、実際に使用しているのは78エーカーだけ、さらに1エーカー当たりのブドウ収穫量を2トンに限定しています。このため、1年間の生産量は6,500ケース程度と非常に少なく、ワイナリーに行かない限り入手はかなり難しいそうです。

「シラー」というぶどう品種をご存知ですか? フランス南部「ローヌ地方」原産のぶどうで、コクのある果実味、強めの酸、中庸のタンニン、とても個性のある味わいで私の大好きなぶどう品種です。嬉しいことに、Stephan Aseoも、シラーが好きな様です。ブルゴーニュやボルドーでは、ルール上、シラーが自由に使えないことが、彼がアメリカに移住した理由の一つである程です。

L’Aventureワイナリーは、全部で6種類のワインを作っていますが、その全てのぶどうにシラーが含まれています。シラーが含まれる比率は、10%から70%と様々ですが、全て「シラー」ベースとは! Stepahan のシラーにかける熱意が感じられます。

ここでご紹介する Estate Cuvee 2014は、シラーが35%。残りは、カベルネソーヴィニオン50%、プティヴェルドー15%です。同じEstate Cuveeでも、2015のヴィンテージではシラーの比率を55%にあげており、その年その年で最高のブレンドを作ろうとするStephanの熱意が感じられます。

Estate Cuveeは、L’Aventureが作る6種類のワインの中で最も価格が高く、まさにL’Aventureのフラッグシップワインです。

かなりの予算オーバーでしたが、数本購入し、日本に持ち帰り、沢山の友人と飲みました。ただ飲んでしまうのでは、もったいないので、じっくりとテイスティングをすることに。

鼻を近づけるとブラックベリーやスパイスの香りが上がります。フレンチオーク樽で15ケ月熟成させているからでしょうか、チョコレートの様な香りも上がります。口に含むと芳醇な果実味の後に、キレの良い酸味が感じられます。ハイライトは、強烈だけど上品なタンニン。しばらく口の中に広がり、余韻を楽しめます。

シラーとカベルネソーヴィニオンの良い部分を取り出し、両者をうまくバランスさせた、素晴らしいワインでした。友人たちも喜んでくれたと思います。

我々が飲んだ2014年のEstate Cuveeは既に売切れの様です。他の年で良ければ、L’Aventueのテイスティングリームで$100-120程度で購入できます。少量が外販されていて、日本でも18,000円から20,000円程度で入手出来る様です。料理を合わせても良いですが、それだけでも十分に楽しめるワインです。

今年も沢山の素晴らしいワインと出会いました。そして、ワインを通じて、素晴らしい方々とお目にかかることが出来ました。感謝です。それでは、皆さま、良いお年を!最後まで、ブログを読んで下さり、有難うございました。