シェリー酒の里 スペインのへレス

シェリー酒の里 スペインのへレス

シェリー酒で有名なスペイン・アンダルシア地方のへレスに行ってきました。

へレスは12世紀の王宮などが残る古い町です。

沢山のワイナリー(ボデガ)があるのですが、私が選んだのは、日本でも有名なシェリー酒「ティオ・ぺぺ」を作っているボデガ「ゴンザレス・ビアス」。

ワイナリー見学(英語ガイド)とシェリー酒テイスティング(4種類)+ 軽食で21.5ユーロでした。ツアーの待合室には、このボデガを訪問した有名人の写真が。その中には、皇太子様の写真も。

英語のツアーに参加したのは約20名。まずは20分のボデガ紹介のビデオを見ます。

ゴンザレス・ビアスは、1835年にマニュエル・ゴンザレスが始めたボデガです。後に、イギリスの代理店を運営していたロバート・ビアスが資本参加し、ゴンザレス・ビアスとなります。今では、スペイン中に沢山のボデガを運営しています。

ビデオを見た後は、へレス周辺の地図を見ながら、ゴンザレス・ビアスが周辺で運営するぶどう畑の位置や、シェリー酒を作る3つの町(へレス・デ・ラ・フロンテラ、サンルーカル・デ・バラメーダ、エル・プエルト・デ・サンタ・マリア)、シェリー酒に使われる3つのブドウ品種(パロミノ、ペドロ・ヒメネス、モスカテル)やこの辺りの土壌(アルバリサ)などを確認します。

最初に訪れたのは、260の樽が並んだスペース。それぞれの樽に、ゴンザレス・ビアズがシェーリー酒を輸出している国の国旗が付けられています。もちろん、日本の旗も。

その後、観光用ミニ列車に乗ってブランデーを作るエリアへ。

途中、高さ46メートルの世界一大きな風見鶏(ギネスにも登録されているとか。)が見えます。

ブランデーの熟成年数によって、ブランデーの色が変わる説明。

同じ場所には、ブランデーの蒸留用機器が。

天井がブドウの木で覆われた中庭を通って、多くのブランデー熟成用の樽が貯蔵されている建物へ。

ここで、シェリー酒を作る手順である「ソレラ・システム」の説明。

チェリーオークで出来た300年前の樽。チェリー・オークはもろいので、重ねられないそうです。

16,500リットル入る巨大な樽も。

このボデガの中で、最も美しい通りを通って、シェリー酒を作るエリアへ。

まず、ワインを空気に触れさせると酸化膜(フロール)が出来ること、フロールと共に熟成させるか、酒精強化によりアルコール度数を上げてフロールを無くして熟成させるかによて、フィノやオロロッソなどの異なった種類のシェリー酒が出来ることの説明。

30年以上熟成させた高級シェリー酒はVORS(Very Old Rare Sherry)と言って、このボデガでは、60ユーロで販売しているとのこと。

シェーリー酒は、様々な年代のものをブレンドして味を均一に保つので、ヴィンテージがないのですが、例外的に「アニャーダス」と言われる種類はヴィンテージがあります。最も古い1923年のアニャーダスの樽。

その後、スペイン王室の人々が飲む樽が保存されている部屋へ。ここには、日本の皇太子様がサインした樽も保管されています。

以前は、この後に、ねずみがシェリー酒を飲んで酔っ払うショーをやっていたそうです。

最後は、お楽しみのテイスティング。左から右に、辛口から甘口へと4種類が並びます。左からフィノ→オロロソ→ペールクリーム(フィノの製造過程の最後にマストから抽出した糖分を加えたもの)→クリーム(オロロソにペドロヒメネスで出来た甘口シェリー酒を25%加えたもの。)。

最後は、ギフトショップへ。全行程約2時間でした。シェリー酒を作る工程は難しくて、本で読んだだけでは分かり難かったのですが、実際の工程を説明を聞きながら回ったので、良く理解できました。

4種類のテイスティングはどれも美味しく、作り方を学んだ後では特に楽しく飲めます。すっかり飲み干しました。
あちゃー、また飲みすぎました。