サンフランシスコ空港で、乗り継ぎのために約2時間、時間を潰すことに。アメリカの空港ならどこにでもあるバーとレストランを組み合わせた、いわゆるアメリカンフードのレストランへ。あまり期待していなかったのですが、カリフォルニアワインのメニューが結構充実。
ここで選んだのが、Clos Pesage Mitsuko’s Vinyard Merlo 2016。とても美味しかったので、ご紹介します。
アメリカのこうしたレストランでは、グラスの縁の近くまで、なみなみとワインを注いでくれます。ワイン教本を読むと、ワインはグラスの最も膨らんだところまで注ぐと書いていることが多いので、アメリカ式ワインの注ぎ方は完全に「アウト!」なのですが、そこがアメリカらしくて嬉しいです。
Mitsuko’s Vinyardsは、カリフォルニアのワイン銘醸地のナパの最も南に位置するロスカネーロスにあります。
オーナーのヤンシュレム氏は、若い頃に日本に渡りそこでミツコさんにあって結婚。出版事業で大成功したあと、1984年にMitsuko’s Wineryを設立したそうです。
Mitsuko’s Vinyardsのワインは、小泉首相が出席した公式ディナーで供されたワインとして有名。最近読んだ「教養としてのワイン」という本で、このディナーでのワインのセレクションにまつわる面白いエピソードが載っていました。日本人のワイナリーのワインを選ぶなら、ナオコさんという女性が所有するMaya Vinyardsのワインを出すべきだったと。
石田純一と東尾理子の結婚式で選ばれたのもMitsuko’s Vinyadsのワインだったとか。オーナーのヤンシュレム氏の邸宅で式を挙げたあと、ワイナリーの中庭でパーティーをしたそうです。
このワイン、鼻を近づけるとブラックベリーやバニラの香り。スパイスやメンソール系の香りもしてとても複雑。口に含むと、独特の果実味とわずかな酸味、タンニンから渋みも心地よい。カカオの様な、ちょっと甘めでありながら重厚な味わいが印象的です。
ギリシャ神話でワインの生みの親とされるペガサスをあしらったラベルが印象的なこのワイン、アメリカでは$25前後、日本でも4,000円前後で入手できます。
この日は、何のおつまみも頼まずに、このワインだけで楽しみました。2時間かけてじっくりと。
あちゃー、また酔っ払っちゃいました。