実は世界一の赤ワイン消費国 中国のワイン事情

実は世界一の赤ワイン消費国 中国のワイン事情

中国に行ってきました。

中国といえば、「白酒(バイチュウ)」。穀物を原料にした蒸留酒で、アルコール度数は50%以上と猛烈に強いお酒。中国では、これを、「乾杯、乾杯」の連続でガンガン飲みます。私は、酒があまり強くないので、中国での接客は、とても苦手。

ところが、こうした中国の飲酒事情にも最近変化が起きているそうです。若い頃から、白酒を飲み続けた中国人幹部たちが、軒並み、糖尿病や痛風に苦しんでいて、白酒文化を見直そうという動きが出ています。しかも、経済的に豊かになったので、宴席の数が増えています。料理も栄養の高いものが出る様になり、いわゆる成人病や贅沢病にに苦しむ人が増え、そうした動きに拍車がかかっています。

そこで注目されているのがワインだそうです。

中国のワイン事情はあまり知られていませんが、「ぶどうの栽培面積」では、スペインに次いで世界第2位です。「ワインの消費量」も、近年急増しており、赤ワインの消費量は世界一になったとする統計もあります。

長い乾杯文化の伝統を持つ中国では「ワインも乾杯して一気に飲み干すので、ワインの消費量が増えている。」という、笑い話の様なもっともらしい話もあります。中国人の同僚は、「白酒をがんがん飲むのはおじさんだけで、若いエグゼクティブたちはワインを飲んでますよ。」とも言ってました。

いずれにしても、中国のワイン市場が、巨大市場になることは確実で、多くの外国資本が参入し、ワイナリーの数が急増しています。

今回、私が連れて行って頂いた北京の河北料理のレストランにも、分厚いワインリストが置いてありました。フランス、イタリアなど、欧州ワインの後に、ページ数は少ないですが、中国ワインも幾つかリストアップされていました。値段も$100以上の高級なものもありました。

 

中国人の同僚によれば、最近は、ビールで乾杯し、少し白酒を飲んだ後、ワインにスイッチするという接待が多くなっているとのこと。(ワイン好きの私に、気を使った発言だったのかもしれませんが。)そこで、その日の接待は、早めに白酒を切り上げて、ワインにスイッチしようということにしていました。

おじさんばかり8人での会食だったのですが、最初から「乾杯、乾杯」の連続で、ビールを32本、アルコール度数70%の白酒を2本(1.5リットル)飲んだ時点で、ようやく、ワインにスイッチしようということになりました。地元、河北省のカベルネソーヴィニオンという品種のぶどうで出来た赤ワインを注文。(河北省のワイン生産量は、中国全体の80%を占めるそうです。)

少し高級なものを頼んだのですが、なんと、桐の箱に入って出てきました。ウェイターが、とても大切なものを扱う様にボトルを差し出して、「こちらで良いですか?」と確認。念のために、残りの7人に「これで良いですか?」と聞くと、何となく、「もう飲み過ぎたので、お酒はもういいです。」という雰囲気。という訳で、その席ではワインは諦めることに。残念。

どうしても、中国ワインを試してみたかった私は、ホテルに戻ってから、同僚を連れてホテルのバーへ。ここには、あまり高級なものはありませんでしたが、地元の赤ワインが1種類だけあったので、それを注文しました。普通は、白ワインに使われる「シャルドネ」という白ブドウと、「メルロー」という黒ブドウのブレンド。独特の苦みが残る独特の味。

帰りに北京空港で、数本の中国ワインを購入して、帰途につきました。家でテイスティングするのが楽しみです。