ワイン発祥の地「モルドバ」の黒い乙女のワイン

ワイン発祥の地「モルドバ」の黒い乙女のワイン

日本の友人宅でのホームパーティで「モルドバ」の赤ワインを頂く機会がありました。とても、美味しかったので、紹介させて頂きますね。

「モルドバ」と聞いて、何を思い浮かべますか?実は、2004年に世界中で大ヒットした「恋のマイアヒ」、この曲を歌っているのは「O-Zone(オゾン)」という「モルドバ」のバンドなんです。(ちなみに、この曲の原題は「ドラゴスタ・ディン・テイ Dragostea Din Tei」。直訳すると「菩提樹の下の恋」。なんと失恋の曲です。)

何となく東欧の国だとは分かりますが、正確な位置はよく分かりませんよね。黒海の近くに位置し、西はルーマニア、東はウクライナに接しています。面積は日本の1/10以下です。

日本のソムリエ教本にもアメリカのソムリエ教本にも「モルドバ」のことは1行も書かれていません。でも、実は世界最古のワイン生産地区の1つで、5,000年以上のワイン作りの歴史があるそうです。生産量は、ヨーロッパで第7位。ワイナリー数は140。モルドバワインはもっと評価されても良いですね。

国土の約8割が肥沃な黒土で覆われていて、化学肥料が不要。ぶどう作りに適した海抜100〜490mの丘陵地が多く、緯度は46〜48度とボルドーに近く、気候や降雨量はブルゴーニュに近い。まさにぶどう栽培に適した条件を兼ね備えています。

主に「モルドバ」でしか栽培されていない土着のぶどうが多いのも、モルドバワインの魅力です。主要な4つの土着品種に女性にちなんだ名前がつけられているのも面白いです。

その4つのぶどうとその意味は次の通り。どれも飲んでみたくなりますね。
Feteasca Abla(フェテアスカ・アルバ):「白い乙女」
Feteasca Regala(フェテアスカ・レガーラ):「王家の乙女」
Feteasca Neagla(フェテアスカ・ネアグラ):「黒い乙女」
Rara Neagla(ララ・ネアグラ):「黒い熟女」

私が頂いたワイン。使われているぶどう品種は「黒い乙女 フェテアスカ・ネアグラ (Feteasca Neagla)」。ワイナリーの名前は「ミニス・テリオス(Minis Terrios)」。

見た目は、深いガーネット色。鼻を近づけると、ブルーンやスパイスの香り。樽香でしょうか、チョコレートやカカオの香りも上がってきます。味はとても複雑です。まず、独特の芳醇な果実香。酸味は穏やか。そして、強烈なとも言えるタンニンの渋み。飲んだ後には、酸味も残ります。

「黒い乙女」という名のこのワイン、素朴なモルドバの郷土料理と合うそうです。特にオススメ料理は「サルマーレ」だとか。この料理は、ぶどう作りが盛んなモルドバらしく、ひき肉をぶどうの葉で包んで、トマトソースで煮たもの。確かに強烈だけどまろやかさもある独特のタンニンがトマトソースに合いそう。

でも、当日、友人が準備してくれた料理にもぴったりでした。美味しそうでしょう?

今回、このワインは、友人が南麻布のモルドバワイン専門店でわざわざ買ってきてくれました。「モルドバワインの専門店があるんだ!」と驚いていたら、東京には、モルドバ料理専門のレストランも結構な数あるそうです。