アーモンドシャンパンが有名な南カリフォルニアのワイナリー Wilson Creek Winery

アーモンドシャンパンが有名な南カリフォルニアのワイナリー Wilson Creek Winery

Wilson Creek Wineryへ行って来ました。

ロサンゼルスから、南東へ150キロほど離れたワイン産地「テメキュラ」にあります。ロサンゼルスから1時間半強のドライブで行けるので、週末ともなると、日本人も含めた多くの観光客で賑わいます。

Wilson Creek Wineryは、Wilson Familyが1996年に始めた家族経営のワイナリーです。テメキュラで14番目に出来たワイナリーだそうです。このワイナリー創設のストーリーはとても興味深いものがあります。

1995年にロサンゼルス近郊のサウスパサデナに住んでいたGerry & Rosie Wilson夫妻は、そろそろ引退して長女のLibby一家が住むソルバング(ロサンゼルスから北西に200キロほど離れた街。デンマーク移民が多く住む。)に引っ越してのんびり暮らそうと考えていました。

そこへ、実業家でやり手の長男Billが「テメキュラに良いワイナリーが売りに出ているから、購入してワイナリー経営に乗り出さないか?」と家族に持ちかけます。ワインの知識など全くないGerryとRosieは最初は断ったそうですが、一度テメキュラを訪問すると、その地がすっかり気に入ってしまい、家族でテメキュラに引っ越すことに。

いざ引っ越してみると、売りに出ていたワイナリーのオーナーが心代わりして、予定していたワイナリーが購入出来なかったり、色々な苦労があった様ですが、2000年にはWilson Creek Wineryのワインの初出荷にまでこぎつけます。今では、90エーカー(東京ドーム 8個分)のぶどう畑を有する、テメキュラでも有数のワイナリーにまで成長しました。

それにしても、全くぶどう栽培やワイン作りの経験のない一家が、引退しようとしていた両親に率いられて、ワイン経営を開始、たった数年で大成功させてしまったわけです。アメリカ人の発想と、その行動力にはいつも感心させられます。

我々が訪問したのは、日曜日の朝。バフェ形式のサンデーブランチが有名だそうで、多くの人たちがとても楽しそうにレストランに向かっていました。駐車場は満杯。

アメリカでは珍しい、アウトドアのバーがあり、心地よい風と陽の光を感じながら、ワインをテイスティングすることが出来ます、簡単な軽食も食べられます。気取らない短パン、Tシャツがオススメ。

名物は、アーモンドシャンパン。スパークリングワインにアーモンドフレーバーを付けたもの。「アーモンドアレルギーの人がいるので、アーモンドを一切使ってない。」というのが、セールスポイント?の様です。(そもそも「シャンパン」という名称を、仏シャンパーニュ地方以外で作られたスパークリングワインにつけても良いんでしたっけ?)

かなり、アメリカらしい、遊園地的な、商業的なノリもあるワイナリーです。気難しくワインについて語るには不向きですが、友人や家族と、ワインを片手に一日楽しく過ごすのには最適です。

我々は、建物の中にあるテイスティングバーで、真剣にテイスティングをすることに。$20払うと、好きなワインが5杯飲めます。(店内でワインを買うと$5ディスカウントしてくれます。)

ご参考までに、私が飲んだ5杯と、簡単な感想を記します。

Almond Champagne
鼻を近づけると、甘い香りとアーモンドの香り。
口に含みと、トロピカルな果実味に加えて、杏仁豆腐のアーモンドの様な味がします。
珍しいのでお土産には良いですが、奇を衒い過ぎの感もあるので、本格ワインが好きな方には不向きかも。

Cabernet Sauvignon の 白ワイン
Cabernet Sauvignonは黒ぶどうで、通常は赤ワインを作るに使われますが、このワイナリーではCabernet Sauvignonを使った白ワインを作っています。
鼻を近づけると、Cabernet Sauvignon特有の香りは全くなく、意外にも少し、甘めの香りが上がってきます。
口に含むと、ピーチの様な果実味が感じられ、酸味は控え目です。
こちらも珍しいので、ワイン通の方へのお土産にも良いですが、ちょっと当たり外れがあるかも。

Marritage
Cabernet Sauvignon, Cabernet Franc, Malbec主体のブレンド赤ワイン。
鼻を近づけると、ピーマンや野菜の独特な香りが上がってきます。
口に含みと、果実味や酸味は控えめで、まず、野菜の様な味が特徴的。滑らかなタンニンが心地よい。
このワインはオススメです。きっと気に入ってもらえます。

Double Dog Red
Cabernet SauvignonとPetite Sirahという2種類のぶどうのブレンド。
鼻を近づけるとブラックベリーや杉の木の香りに加えて、スパイスが上がってきます。口に含むとPetit Sirah特有の果実味とCabernet Sauvignon特有の渋味に加えて、心地よい酸味も感じられ、バランスの取れた高級感溢れるワインに仕上がっています。
このワインもオススメです。

Petit Sarah
カリフォルニア以外では、あまりお目にかかることのないぶどう品種です。
鼻を近づけると、少し甘い果実とスパイスの香り。
口に含むと、果実香が印象的。酸味は控えめですが、タンニンからくる渋みも印象的。

アーモンドシャンパンは、$17程度で、お土産に良い価格ですが、MarritageやDouble Dog Redは、$60程度します。