南仏プロヴァンス地方のワイン産地巡り

南仏プロヴァンス地方のワイン産地巡り

プロヴァンスのワイナリーを巡ってきました。

ワイン産地としての「プロヴァンス」は、一般的に言われる「プロヴァンス」とは少し範囲が異なり、ニースを中心としたいわゆる「コート・ダ・ジュール」を含みますが、アヴィニオン周辺は含みません。(アヴィニオン周辺は、ワイン産地としては「ローヌ渓谷南部」と定義されます。)東はニースから、西はアヴィニオンの南までの地域を言います。

この地域は、ロゼワインが有名ですが、今回は赤ワインや白ワインの銘醸地を中心に巡ることに。

まず、ニース近郊のBellet(ベレ)というAOC(ワイン生産地)を訪問しました。と言いたかったのですが、時間が無くなり、ニースのワイン屋さんで購入することに。

Bellet の赤ワインは、ここでしか採れない土着品種である「フエラ・ネラ」と「ブラゲ」というぶどうを主体に作られています。生産量が少なく、ニース近郊以外では入手困難とのことで、ニースに行ったら絶対に飲もうと思っていたワインです。

ルイ14世や米国のトーマス・ジェファーソン大統領が好んだこのワイン。ワイン屋の陽気な店員さんが薦めてくれたChateau de Crematを購入しました。

数日後、南仏ベジエに住む友人宅を訪ねた際に、ギフトとして持参。ディナーの際に一緒に飲ませて頂きました。フルーツや花の香りが豊かな一方で、タンニンはしっかりしており、鼻に近づけてから飲んだ後の後味までじっくり楽しませてくれるワインでした。

次にニースから東に150キロ程ドライブし、マルセイユの近くにあるAOC(ワイン銘醸地)であるBandol(バンドール)を訪問しました。

このワイン産地、地中海に向かって開けた丘陵地帯にぶどう畑が広がります。Mourvedre(ムルヴェドル)を主体とした赤ワインの産地として有名です。

Mourvedreは、日光と水分の両方が必要(この2つの条件がどちらも満たされる地域というのは、極めて少ない。)で、育てるのがとても難しいぶどうです。Bandolは、年間日照時間が3,000時間以上、しかも地中海からの影響で夜は湿った空気がもたらされ、この2つの条件が満たされる数少ない地域の一つです。

また、Mourvedreは長期熟成にも耐えられるので、Bandolのワインは古くから海外に輸出されていたそうです。

この日は、海岸に面したレストランで、Bandolの赤を試してみました。独特の果実の香りと程よい酸味。滑らかなタンニンが印象的で、全体としては重いワインの印象でした。

最後に訪れたのは、Cassis(カシス)。Bandolからさらに30キロ程東に行った所にあるAOC(ワイン生産地区)です。(マルセイユの約西25キロ。)

ここもBandol同様、地中海に向かって広がる傾斜地にぶどう畑が広がっていますが、Bandolとは反対に、生産されているワインの70%は白ワイン。「海の影響でヨードの様なニュアンスが感じられる。」とのことで、テイスティングするのを楽しみにいていたのですが、雨があまりに激しくて、車から降りられず断念。あ〜っ。

プロヴァンスといえば、ロゼワインが有名ですが、赤ワインや白ワインにも、なかなかの実力派が揃っています。
あちゃー、ついつい飲みすぎました。