ピアニストが開墾した伝説のぶどう畑 南カリフォルニアのEpoch Estate Wines

ピアニストが開墾した伝説のぶどう畑 南カリフォルニアのEpoch Estate Wines

南カリフォルニアのワイン銘醸地「パソロブレス」にあるEpoch Estate Winesに行ってきました。

近くの名門ワイナリーL’Aventureのオーナーのお嬢さんに勧められて、急遽訪問することになったワイナリー。パソロブレスの西の端、太平洋に近い、小さな丘の急斜面を登った所にあります。

丘の斜面に広がるぶどう畑は、1900年代初頭にポーランド外交官で、著名なピアニスト、作曲家、そしてぶどう栽培家でもあったJan Paderewskiが開墾したもので、地元ではPaderewski Vinyardsと呼ばれる伝説の名門ぶどう畑でした。

Epoch Wine EstateのオーナーであるLiz and Bill Armstrong夫妻は、デンバーで石油ビジネスで成功した実業家ですが、ローヌ地方のぶどうを使ったワインを作りたいという夢をずっと持っていて、そんな夢を叶えるためのぶどう畑を探していました。地質学者でもあった2人は、地質がぶどうに与える影響についても理解していたのですが、そんな2人が、2004年にたどり着いたのが、このPaderewski Vinyardsだったのです。

訪問したのは8月中旬でしたが、会社の研修旅行と思われる10名弱の団体が3組ほどいて、テイスティングルームは賑わっていました。我々は、テイスティングルームの喧騒を抜け、外のテラスで、5杯のテイスティングをすることに。

まずは、ロゼ。GSM(Grenache 36%, Syrah 16%, Mourvedre 48%)という典型的なローヌブレンド。Epoch Estate Winesのウェブサイトによれば、薔薇の花びらやイチゴの香り。潮風や干し草の甘い香りも。「地球上で最も幸せなワイン(the happiest wine on earth)」とあります。

2杯目の白もローヌらしいブレンド。Grenache 47%, Viognier 39%, Roussanne 14%。シトラス、パイナップル、クリームの香り。

3杯目は「Veracity(誠実)」という名前の赤。これまた、GSM (Grenache 49%, Syrah 17%, Mourvedre 25%)という典型的なローヌブレンド。心地良い果実味と酸味に土、森、ミネラルといった独特の味わい。

4杯目は「Estate Blend」という名前の赤。これは、GSMに、カリフォルニアでしか採れない「Zinfandel」とスペインのフラッグシップ品種である「Tempranillo」を組合せたカリフォルニアらしい強烈なブレンド。果実味と酸味に加えて、タバコ、土、皮、バニラ、ラベンダーの味わい。

最後は「Ingenuity(独創性)」という名前の赤。Epoch Estate Winesのフラッグシップワインです。これは、GSMに、カリフォルニアでしか採れないPetit Sirahをブレンドしたもの。ローヌらしい酸味に、果実味が加わり、さらに土、タール、セージ、オリーブなどの複雑な味わい。かなり、男っぽい、骨太のワイン。

当日は、天気がとても良く、外のテラスはとても気持ちが良いです。心地良い風に吹かれて、ワインが進みます。
あちゃー、また飲みすぎちゃいました。