インドにも影響を与えたカリフォルニアのワイナリー Ridge VineyardsのSyrah

インドにも影響を与えたカリフォルニアのワイナリー Ridge VineyardsのSyrah

RIDGE LYTTON ESTATE 2012 SYRAHをご紹介します。

Ridgeワイナリーは、シリコンヴァレーにあるのですが、その中でも、日本人が多く居住するクパチーノ(Cuppertino)市の山の中「モンテベロ(Monte Bello)」にあります。(クパチーノ市はアップルの本社があることでも有名。)その地域は、通称Monte Bello Ridge(尾根)と呼ばれているので「RIDGE」がワイナリー名になったそうです。

ピクニックエリアがあって、ワインを飲みながらシリコンヴァレーが一望できる、とても気持ちのよいワイナリー。私は、シリコンヴァレーに5年ほど住んでいたことがあるのですが、自宅から車で1時間もかからない距離にあったので、よく訪問しました。

このワイナリーは、1962年に設立。1969年には、伝説の醸造家と呼ばれるポール・ドレーパー(Paul Draper)が加わります。

ポール・ドレーパーの加入による品質の向上は著しく、カリフォルニアワインの地位を決定的なものにした1976年の「パリ対決」(米国建国200周年を記念して、パリで行われたカリフォルニアワインと一流フランスワインのブラインドテイスティング会。カリフォルニアワインが予想外の圧勝を収め、世界を震撼とさせた。)から30年後、2006年に行われたリベンジ対決においては、フランスの一流ワインを抑えて圧倒的な支持でナンバーワン評価を得ました。

1986年には大塚製薬が買収。買収を決めた大塚明彦氏はポール・ドレーパーに一目惚れし、1988年にポール・ドレーパーをCEOに指名。その後も、大塚製薬は、ドレーパー氏を信頼して、Ridgeの経営には口を出していません。そのおかげもあって、Ridgeの経営は順調。この買収は、日本企業による最も成功した買収の一つに数えられます。

そして、ポール・ドレーパーを敬愛している人がインドにもいます。インドで最も有名なワイナリー「Sula」を設立したラジーブ・サマントです。彼は、ドレーパー氏と同じカリフォルニア州スタンフォード大学を卒業。シリコンヴァレーのオラクルで成功を収めた後、インドでワイナリーを始めた変わった経歴の持ち主です。

Sulaワイナリーには、カリフォルニア以外では殆んど採れないジンファンデルが植えられており、トレーパー氏の影響の強さを物語っています。

Ridgeワイナリーは、Monte Belloの他に、北カリフォルニアのワイン銘醸地「ソノマ」のLytton Springsにもぶどう畑を持っています。Monte Belloはボルドー系のぶどうが美味しいのですが、Lytton Springsはジンファンデルが有名です。

今回、RidgeとSulaのワインを飲み比べる企画があって、購入したのが、Ridge 2012 Lytton Estate Syrahです。本当は、ジンファンデルで飲み比べをしたかったのですが、SulaのジンファンデルはRidgeのジンファンデルに比べると「まだまだ」という評価らしく、シラーで飲み比べることに。

この1本は、入手にとても苦労したのですが、カリフォルニアの自宅近くにあるヴィンテージワインの収集をしている方から、特別に譲ってもらいました。

公式ホームページにテースティングノートがあります。「濃い紫色。熟したブライアーの果実、すみれ、フェンネル、粘土鉱物の香り。口に含みとまず、芳醇な黒系果実の味わい。そしてベルベットの様なタンニン、甘いオーク、華やかな飲み口。長く残る複雑な後味。」

インドワインとの飲み比べ、今から楽しみです。

あちゃー、また飲みすぎちゃいそうです。