インドに行ってきました。
私は、ワインが大好きですが、実は世界どこに行っても1杯目はビール。インドには、Kingfisherという世界的に有名なビールがあって、まずはこれを注文。
さて、2杯目に何を飲むかですが、インドではウィスキーを薦められることが多い気がします。これは、インドでは、未だに「飲酒は悪いこと」というイメージがあって、短時間に酔わないといけないので、強いお酒を薦めるからとのことです。
という訳で、インドではあまりワインは普及してこなかったのですが、最近は、インドでも世界的に高い評価を受けるワインが出てきています。なかでも、SULAというワインは、「世界に通用するアジア最高のワイン」とよばれています。太陽のマークが入ったボトルはとてもインパクトが強いです。最近は日本にも入ってきているので、見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
さて、インドは、ムンバイに行くことが多いのですが、ムンバイがあるマハーラーシュトラ州は、インドワインの実に80%を生産しています。SULAのワイナリーは、同州のナーシクという地域にあります。ワイナリーはとても美しく、試飲も楽しめるそうなので、今度、ムンバイに行ったら是非立ち寄ってみたいと思います。
SULAヴィンヤーズは,カリフォルニアのスタンフォード大学を卒業後,シリコン・バレーで敏腕ファイナンシャル・マネージャーとして活躍していたラジーブ・サマントが故郷のインドに戻り,1997年に創設しました。インドにいると、恐ろしいほど暑いし湿気はあるし、一体こんな土地でぶどうが育つのだろうか?と思ってしまいますが、ナーシクは海抜610メートルの高地にあるため,スペインやカリフォルニアに似た気候を享受し,我々の想像とは全く逆にブドウ栽培にうってつけの土壌が広がるそうです。
ふかふかのソファに座って、インド人パートナーとくつろいでいると、ターバンを巻いた長身のウェイターがSULAワインを運んできます。深々とお辞儀をして、インドらしい刺繍の入った赤いビロードの布製のコースターの上に、ワイングラスをゆっくりと置き、ワインを注いてくれます。なんか、マハラジャになった気分。パートナーが注文してくれたのは、「シラー」という品種のぶどうを使った赤ワインとタンドリーチキンをはじめとするインド料理の数々。料理は、どれを食べても、いわゆるカレー味で、とても美味しく、そして「シラー」という赤ワインがカレーに良く合います。シラーとインド料理の相性は抜群と習いましたが、確かにその通りです。
ところで、このSULA ヴィンヤーズ、「ジンファンデル」という品種のぶどうから出来た赤ワインも作っているそうです。「ジンファンデル」というぶどうは、殆どカリフォルニアでしか採れないので、カリフォルニアの名産。そのジンファンデルをインドのSULAヴィンヤーズで醸造していると聞いてびっくりしました。
その理由は、SULAヴィンヤーズを創設したラジーブ・サマントが、同じくスタンフォード大学を卒業したリッジ・ヴィンヤーズ(カリフォルニアにある有名なワイナリー。大塚製薬が買収)の天才醸造家,ポール・ドレーパーを敬愛して止まず、どうしてもリッジが得意とするジンファンデルをインドでも生産したかったからだそうです。生産量は、年間6,000本と僅かですが、カリフォルニアが生んだ天才醸造家、ポール・トレーパーがインドでも慕われていると聞いて嬉しくなりました。
インドのジンファンデル。一度、飲んでみたい。また、インドへ行く楽しみが増えました。